スーパーコンピューター「京」はなぜ作られ、何ができるの?【新プロジェクトX】

ドキュメンタリー

こんにちは!Joiceです。

6月15日(土)19時30分からスーパーコンピューター「京」開発物語 世界最速への頭脳戦というテーマで【新プロジェクトX】の番組が放映されます。

私は難しいことが分かりませんが「スーパーコンピューター京はなぜ作られたの?」「『京』はどういう意味?」「何ができるの?」など素朴な疑問を調べてみました。

少しでも気になる方は、ぜひ最後までご覧くださいね。

スーパーコンピューター京はなぜ作られたの?

1990年以降の不況で、産業の要となるスーパーコンピューターの必要性が高まっていったんです。それは解決が難しい様々な課題を速やかに解決するために世界中の英知を集結し、様々な分野において最先端の研究を加速しなければならなかったからです。

2005年にスーパーコンピュータープロジェクトを開始し、様々な危機を乗り越えるべく2006年に文部科学省と理化学研究所により国家プロジェクトが立ち上げられ富士通との共同開発となりました。

京は特定分野に特化した専用機ではなく、幅広い用途に応用できる凡用計算機として設計されたんです。例えば、気候変動の予測や新薬の開発、災害時のシュミレーションなどに使用されました。

ネーミングの「京」は浮動小数点演算を1秒あたり1京回の処理ができるため付けられましたが、京と言っても桁が大きすぎて分からないため、例えでお伝えしますね。

1秒間に1京回って、どのくらい?

計算速度を10ペタフロップスといい、10ペタが1京回なんだそうです。つまり、1の後ろに0が16個つきます。

地球上の全人口70億人が電卓を持って集まり、全員が24時間不眠不休で1秒間に1回のペースで計算を続け、約17日間掛けて漸く終わる計算をスーパーコンピューター京は、たった1秒間で行います。唯々、凄いとしか言いようがありませんね。

スーパーコンピューター京の構造は?

コンピューターにはCPU(心臓部分)が必ずありますが、単体ではどうしても計算能力に限界があり計算力向上のためにCPUを大量に連結させなければなりませんでした。

世界最高クラスの性能を持つCPUを開発し、それを9万個近く接続する技術が開発されたんです。そのために使ったケーブルは20万本、全ての長さをつなげると1000kmに及びます。

心臓だけでは活動できないのと同様に、大規模計算では色々な計算処理とその結果を使用した更なる計算処理が発生するためCPU間のデータ通信が重要になります。膨大なデータ量を効率よく交通整理して通信するネットワークも瞬時に出し入れするメモリも、計算結果を保存する記憶装置も必要ですよね。ですから、その設備の量は相当なものになります。

スーパーコンピューター京の軌跡

スーパーコンピューター京を完成させるためには多くの多難があったんです。コンピューター自体の構築と計算科学や計算機科学分野の人材育成も必要でした。

また当初はベクトル機1とスカラ機2の複合型で計画開発する予定だったのですが、ベクトル機を担当していたNECと日立が膨大な開発費のために撤退することになりスカラ型のみの構成によるプロジェクトの大幅な変更もあったようです。

その結果、富士通の技術を全面的に対応した計算機となりました。かさんでいく研究費に2009年11月の事業仕分けで事実上凍結されてしまいましたが、概算要求から40億円減の228億円が計上され2012年6月に総開発費1120億円を投じ完成しました。

多難を極めた開発ですが、その中の2011年の6月と11月にTop500で1位、2011年11月HPCチャレンジ賞とゴートン・ベル賞を受賞しています。CPUの性能を向上させた市販モデルを国内・国外に販売もしているそうです。

2014年から2019年6月までGraph500で9期連続1位を獲得したスーパーコンピューター京も2019年8月に計算資源の共用を終了しました。その後は性能が100倍以上向上した「富岳」が2021年3月から運用されています。

スーパーコンピューターは万が一大惨事が起こった時のシュミレーションが可能とのことです。富岳は人工衛星や気象レーダーなどから送られてくるデーターをリアルタイムで同化し、更に大規模な災害を予測できます。また、避難者ごとの最適な避難指示も可能だそうです。

凡人の頭ではなかなか理解できませんが、瞬時に膨大な量の計算をすべて行い記憶するようですね。

ここ数年で様々なAI(スーパーコンピューター)も開発され私たちの生活も激変していると思います。既に開発されているのかもしれませんが、天変地異の予測ばかりではなく非常事態が起きないための予防策が示されるといいですよね。

まとめ

【新プロジェクトX】でスーパーコンピュータ京の開発物語、世界最速へ技術者たちの頭脳戦と題し放送されるため、

1.スーパーコンピューター京はなぜ作られたの?
2.1秒間に1京回って、どのくらい?
3.スーパーコンピューター京の構造は?
4.スーパーコンピューター京の軌跡

を後からでも見返せるように素朴な疑問をまとめてみました。

あなたが知りたかったことの一助になると嬉しいです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

  1. ベクトル機とは、計算機科学分野の並列計算に主に使われます。 ↩︎
  2. スカラ機のスカラはラテン語の階段や目盛を意味し、データを都度運んで計算を行います。 ↩︎

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